かつて、地域一帯が特殊飲食店(風俗店)だった黄金町の摘発後廃墟となった建物での展示。実際は風俗店だが表向きは飲食店としてカモフラージュされた内装と、隠しきれない風俗店としての痕跡に注目し制作した。展示空間の純和風、割烹料理店のような内装のカモフラージュにさらにそば屋があったというカモフラージュの為の嘘のストーリーを盛り込み、その嘘の痕跡を廃墟内にちりばめていく。歴史があくまでも語る者の語る立場、語り口に大きく依存して形作られるものならば、語らせる前にその語られた後の歴史を意図的に作る試み。歴史を能動的に歪ませてみせる事で、私達の誤解の認識と物語としての歴史の関係を読み解く。