Art Center Ongoingの交換プログラムで1ヶ月半訪れた香港のsoundpocketでのレジデンスの成果展。深水埗の違法ナイトマーケットの商品とゴミとの境界線が極めて曖昧な販売の場は、まるで価値あるとされる世界からこぼれ落ちた何かに、新しい価値の何かを与えている美術的な行為のようです。また、燃やすことで故人や先祖の元に届くという、紙で出来たアイフォンなどの紙紮は、この世からあの世へと横断する可能性を持ったイメージの形態として興味深いものでした。展示はこれら2つの要素を扱ったインスタレーションです。深水埗のナイトマーケットで実際に売られていた壊れたスリッパや断線したケーブルなどが燃えている状態を紙で作り、紙紮として燃えて消え様々なボーダーを超えていく瞬間を捉えようとしました。